ワーキングマザーは夢をみる

働きたい、育てたい、すきなことをしつづけたい。

アンパンマンを見てもらうか、おさるのジョージを見てもらうか

2歳5ヶ月の娘はまだまだアンパンマンに夢中です。
お気に入りのキャラクターはアンパンマンはもちろん、てんどんまんカレーパンマン、SLマン、おくらちゃんなど。テレビなどでアニメが流れると、それまでどんなに大泣きしていてもぴたっとおさまります。あまり頼りすぎないようにとは思いつつ、どうにもならないときの切り札として本当に助けられています。

だけどわたしも横目でアンパンマンを見ているうちに、どうにもあのストーリーが気になってきてしまいました。あの展開のパターン、悪いことをしてみんなを困らせるばいきんまんアンパンマンがアンパンチで撃退、めでたしめでたし、というやつ、どうにもすっきりしません。「悪いこと」というのも、それやったのがばいきんまん以外のキャラだったら「だめだよ~」で済ませてるんじゃない?と思う程度のかわいいいたずらだったりするし。
娘も娘でしっかり影響されて、気に入らないことがあるとわたしや夫に向かって「あんぱんち!」とちっちゃいパンチをするようになってしまいました。おそらく「あっちいけ!」の意味で「ばいばいきーん!」と言ってきたりも。そのたびにそれはいけないよと言葉を尽くして、やる回数は減ってきたものの、まだゼロにはなりません。
娘のアンパンチ、精神的なダメージ大きいです…。


わたしも夫もアンパンマンに登場するキャラクターたちは好きだし、娘が見たがるもの見せてあげたいという気持ちは一致していますが、アンパンマンに偏りすぎないようにする必要はあるのかなと感じてきました。

そこで最近積極的に娘にすすめているのが「おさるのジョージ」です。
ジョージと周りのひとたちは悪役と戦いません。毎回なにかに挑戦するジョージ、たいてい失敗しますが、それを温かく見守り、時には手を貸し、一緒に楽しむ周りのひとたち。特にジョージと一緒に暮らす「黄色い帽子のおじさん」の器の大きさには毎回ため息が出るほどです。ジョージが部屋を水浸しにしたり、部屋中のものを庭に埋めたりしても「ジョージ、おまえってやつは…」とか「やれやれ…」くらいで済ませてる!!(わたしは黄色い帽子のおじさんのようにはとてもなれませんが…)
娘がおさるさんみたいな耳(ぴょこっと起きてる)なのでジョージに似ているような気がして親近感もわくし、わたしと夫が純粋に楽しめる子供向け番組のひとつです。

それで、アニメといえばアンパンマン!という状態から、アンパンマンも見ればおさるのジョージも見るようになってほしいなぁと、ちょくちょく「ジョージ見ようか」と誘ってみることにしました。
娘ははじめそれほど興味を示しませんでしたが、だんだんと自分から「ジョージみたい」と言い出すようになってきました。ジョージはアンパンマンに比べてセリフや内容が難しいのですが、娘の言葉が増えるにつれてジョージも楽しめるようになってきたのかもしれません。

ジョージはアンパンチをしないし、わたしや夫が見て「ばいきんまんが不憫だ…」と思うようなもやもやがありません。
娘がジョージをまねて「いたずら」することはあるかもしれませんが、ジョージのいたずらはあくまで大人から見るといたずらなのであって、本人にしてみれば知らないこと・わからないことを試しているだけです。程度の大小はあるとしても、ジョージのまねじゃなくても子供ならやるときはやるようなことばかりで、悪影響を気にするほどではないと考えています。部屋を水浸しにしたり部屋中のものを庭に埋めたり、はまねしないことを祈っていますが…。


ただ、アンパンマンジョージも見るようになって気づいたのは、思った以上に娘はアンパンマンから言葉を覚えているということです。
「決まりね!(コキンちゃん)」「野菜たっぷりちらしずし。めしあがれ!(おくらちゃん)」「さあ、ばいきんまんさんをほめましょう(マダム・ナン)」…お気に入りのセリフをよくまねしているのですが、ただまねするだけでなく、日常で使えるタイミングがあると正しく使っていたりするんですよね。はじめは単なるまねでも、だんだん自分の言葉として使いこなしていくのでしょうね。(セリフのチョイスもおもしろい。かっこいい決め台詞とかでなく、えっそれが気にいったの?!なんで??というセリフをまねていることが多いです)

ジョージの場合、全体的にセリフが長くて難しいので、こういうことはありません。対象年齢がもう少し上なんでしょうね。アンパンマンは2、3歳の子を対象としているでしょうから、セリフは短く、語感がよく印象に残るように工夫されていることがわかりました。


娘にとってはまだアンパンマンが絶対的な存在だし、それを無理にやめさせることもちがうなと思います。でも他にもおもしろいアニメはあること、アニメ以外にもおもしろいものはあること、テレビ以外にもおもしろいものはあることを、伝え続けることは大切だなと感じました。
娘だってこのあと何年もアンパンマンにはまりつづけることはないでしょうから、常に選択の幅が広がるよう手助けしてあげることで、娘の行動や考えが偏らないように気をつけていればいいのかなというのが当面の方向性です。

娘ちゃんは小さいころママにアンパンチしてきて、ママもパパも本気で困ってたんだよー、と、10年もすれば笑い話になるのでしょうね。