ワーキングマザーは夢をみる

働きたい、育てたい、すきなことをしつづけたい。

仕事も家庭も手に入れるためにやりたいこと

2人の女性の半生を描くお芝居を観てきました。
18歳から48歳までの30年間がテンポよく描かれ、リアルさにこだわったと思われる演技に引き付けられ、とてもよい時間を過ごさせてもらいました。

物語の2人の女性は、はじめは手を取り合って人生を歩んでいくのですが、それぞれの選択の違いから道が分かれていきます。
その選択というのは、「音楽の夢」を追い続けるか、それとも「家庭」をもつか、ということでした。

結婚したい相手に「結婚するなら音楽はやめて家庭に入ってほしい」と言われ、1人は夢を捨てて家庭を選びます。もう1人は音楽を続けますが、その後も家庭をもつことはできませんでした。
ラストシーン、48歳で10年ぶりに再会した2人は、それぞれの人生で小さな幸せを手にしてはいるけれど、自分が捨てたもの、相手が選んだものに対する未練がなくなったわけではないようでした。


役者さんに手が届きそうな小劇場で、リアルな演技にふれて、わたしが普段考え続けていることとリンクして、胸がいっぱいになってしまいました。

「音楽の夢」というと特殊な状況のようですが、単に「仕事」と置き換えても成り立つ話です。

結婚・出産したら家庭に入ってほしい、せめてパート程度にしてほしいとと夫や家族に言われる。
残業や出張が多くて主婦業と両立できない。
サービス業で土日もシフト勤務だから子供の預け先がない。
産休・育休がとれない。
保育園に入れない。

お芝居は2人の女性それぞれの選択の物語でしたが、現実の世界には自分ひとりの力では解決できない、社会としての問題もたくさんあります。
それが個人の選択だけの問題のように扱われがちなことも息苦しさを感じます。


わたしは、どうしても両方を手に入れたいです。
表現の仕事も、家庭もあきらめられません。
家庭はたくさんの人に支えられて、保育園の抽選に当たるラッキーも含めてなんとかまあ順調ですが、仕事はまだまだ理想の状態とはほど遠いです。

両方を手に入れることの難しさに日々悩みますし、周囲からはそもそもそんなのは欲張りだ、贅沢だといわれることもあります。

でも、一部のとても優秀な人、恵まれた環境にある人だけでなく、普通の女性でも、望むなら仕事と家庭の両方を手に入れられてこそ、女性が活躍しているとか輝いているとか言えるのだと思います。仕事と家庭のどちらか一方をあきらめなくて済む、どちらも手に入れて、どちらも充実した人生を送ることができる社会になってほしいです。

そのために何が必要か、自分は何をしたいか、昨日のお芝居を見てから考えています。


社会に必要なことは、たとえば、保育園に入れること。
平日日中以外も預かってもらえること。
病児保育が充実すること。
子供を預けるなんてかわいそうという偏見がなくなること。
男性の長時間労働が是正されること… まだまだいっぱいありますね。


わたしがやりたいことは、女性のモチベーション維持の支援です。
社会が整わないなか、思うようにいかなくても、あきらめず、道を切り開いていかなくてはならない。それでも心が折れないように、ほんの少しでもいいから勇気づけるお手伝いがしたいです。
自分と同じワーキングマザーを応援したいし、応援することで自分も励まされます。社会が変わるように働きかければ、自分も生きやすくなるし、いつか大人になった娘もきっと生きやすいはず。

そう思って、こうしてブログに文章を書いたり、遠くないうちに、自分が人生を賭けている表現の世界、ナレーションやインプロパフォーマンスや演劇の分野でも行動を起こしたいです(特にインプロって育児にすごく役立つと思うのです)。将来のワーキングマザーのロールモデルになる人を支援したいし、自分もロールモデルになりたいです。

自分のこともままならないのに、他のひとを応援したいなんて、そんな余裕あるのか?!と考えないでもありません。
でも、いま同じ時間を生きているワーキングマザーの方、予備軍の方も、働きたいけど辞めざるを得なかった方も含む、みんなが動くことで社会が動くと思っていて、そのためになにもせずにはいられない、そんな気持ちです。おこがましいかもしれないけれどどうしても動きたいのです。


役者さんのエネルギーに感化され、自分の気持ちをあらためて確認する貴重な機会を持てました。


最後に、「女性が」仕事と家庭の両方を手に入れるために、という書き方をしましたが、男性だってそうですよね。わたしが購読しているブログの書き手さんにも、きっとそう思われるだろうなという方がたくさんいらっしゃいます。

そういうふうに感じる男性が1人でも増えること、それも、仕事と家庭の両方を手に入れられる社会への大事な1歩だと思います。

ちょっとずつでも、進んでいかなくては。