ワーキングマザーは夢をみる

働きたい、育てたい、すきなことをしつづけたい。

あなたの産後の自己評価はたぶんまちがってる

出産を境に自分のスペックが低くなってしまった、と思うことがありませんか?

言葉が出てこない、考えがまとまらない、身体が動かない…
わたしは、産後2年以上経った今も、産前(正確には妊娠前)の自分と今の自分を比べて落ち込んでしまうことがあります。

前はもっとできたのに、こんなはずじゃないのに、と。

復職して、さあ産休前以上にステップアップするぞ、と意気込む気持ちとはうらはらに、自己評価は低くなっていきます。
やる気と、できない自分へのもどかしさとの板挟みで苦しく、焦りばかりが募っていきます。


ところが先日、ほんとうに些細なことで気持ちが変わりました。
わたしの自己評価はまちがっていたのです。少なくとも部分的には。


3品作るのに1時間半

能力が落ちてしまったと感じていたことのひとつに、料理があります。
わたしは、自分はわりと手早く料理できるほうだと思っていたのですが、産後、とにかく遅くなってしまいました。
夕食の簡単なおかずを3品ほど作るだけで1時間半かかってしまうのです。野菜炒め、おひたし、味噌汁、くらいの本当に簡単な料理にです。
子供のようすを気にしながらとはいえ、遅すぎないだろうか?ゆっくり作っているつもりはないのだけど、どうしてなのかわからないけれど、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
子供はぐずるし、お腹もすくし、夕食が遅くなるとそのあとの寝かしつけなども遅れていくし、そんなに時間をかけるわけにはいかないのに。

仲のいいママ友はいつもインスタグラムに5、6品の豪華な食事をアップしています。どれだけ時間がかかっているのか聞いてみたら、30分くらいだと言っていたことがありました。
子供が2人いる同僚も、どんなメニューを作っているかまでは聞いていないけれど、帰宅後30分で夕食にすると言っていました。

いや、わたしだって産前は3品くらい30分で作れたはず。
子供が1人いるからって3倍の時間がかかるようになるものでしょうか?産後風邪をひきやすくなり体力が落ちたんだなと感じるように、頭の働きも落ちてしまって、マルチタスクである料理の手際が悪くなってしまったんじゃないだろうか。

そんなふうに考え、自分は産後、能力が落ちたと思っていました。


週末、常備菜を作ってみて、かかった時間

なんにせよ夕食の支度に1時間半かけ続けるわけにはいかないので、あるとき時間管理について考えました。

memi.hatenablog.com

このエントリの中でわたしが決めた対策のひとつが、「週末に常備菜を作る」ことです。
実は、これは本当はやりたくありませんでした。1週間の常備菜というと10品くらいは作っておきたいですが、3品作るのに1時間半かかってしまう今のわたしでは、10品作るのに4~5時間かかってしまう計算だからです。
せっかくの貴重な週末を、半日、料理に費やすなんて、憂鬱でした。でも平日毎晩1時間半かけるよりはいいかもしれないと、とにかく常備菜生活デビューしてみることにしたのです。

それで実際にやってみたのが2週間ほど前。
9品作りました。

かかった時間は、1時間45分でした。

予想の約3分の1の時間。普段のわたしの3倍近いペースで作れたことになります。
特に急いだわけではなく、いつも通りに作業しました。
ただ、いつもと違うのは、子供の相手を完全に夫に任せていた、それだけです。

 

「子供1人いるからってそんなにかからない」という思い込み

料理に集中できる状況でさえあれば、わたしは産前と同じくらいのペースで料理をすることができました。

わたしは、「子供が1人いるからって(料理に)3倍の時間がかかるようになるものでしょうか?」と書きました。それはさすがにないだろうと思っていたのですが、あったのでした。子供が1人いるだけで、料理に3倍の時間がかかるようになるものだったのです。我が家の場合は。

料理に関しては、子供を気にかけ、時々相手をしながら作業している分だけ、時間がかかるようになっただけでした。わたしの能力が落ちたわけではありませんでした。

こんな単純なことに気づかなかった理由は、これまで夫がいる週末はあまり料理をしなかったことと、「子供1人いるだけでそんなに効率が落ちるわけがない」という思い込みです。
子供1人いる「だけで」って、いつから「だけで」なんて思うようになっていたんでしょう?子供1人いるって、ものすごいことなのに。

産後は生活が激変します。
でもそれが日常として切れ目なく続いていくので、変化してからたった数ヶ月数年であっても、それが自分の「普通の状態」だと思ってしまうのかもしれません。
「普通の状態」なのに、以前と同じレベルで行動できない。だから自分の能力が落ちたのだと思ってしまう。
でも本当は、自分の能力の変化よりも、自分を取り巻く環境の変化のほうがずっとずっと大きいんじゃないでしょうか。
そんな大きな変化を受け入れ、どうにかこうにかであっても日々を生きているというだけで、本当はもっと高い自己評価をしてもいいことなのかもしれません。

 

自己評価を疑う

まさか常備菜を作ってみて自己評価を改めることになるとは思いませんでしたが、この経験がなければ、当分の間、わたしの自己評価はゆるやかに低くなる一方だったのではと思います。

産後の自分の「できないこと」を「能力の低下」と感じたときは、本当にそうなのか疑ってみるという視点を得ました。思い込みや勘違いで、必要以上に低い自己評価を下している可能性があることを忘れずにいようと思います。

本当の「低下」なのか、そうでないのかを考えるときは、まず根拠がはっきりしたものであるかを確認したほうがよさそうです。
たとえば「体力が落ちた」という自己評価なら、授乳中だとか、夜泣き対応による睡眠不足とか、納得感のある原因が浮かびます。
でも「料理のスキルが落ちた」原因は?脳の働きが悪くなった?…それって本当??冷静に考えると、ずいぶん「なんとなく」な理由づけです。出産すると心身ともにダメージを受けるとか、老化するとか、どこかで見聞きしたショッキングな情報に引きずられていたんじゃないでしょうか。


産後は、子供のいる生活は、やっぱり大変なんです。
そんななかで、偏った判断や考えをしてしまうこともあると思います。
でも低すぎる自己評価は枷にしかなりませんから、ときどき、おーいそれってほんとう?と自分に聞いてみることにします。

 

最後に、自分を鼓舞する意味もこめて。


あなたの産後の自己評価はたぶんまちがってます。
低すぎます。
もっと高い評価に修正しましょう!