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産後うつっぽいときに夫にしてもらいたいこと

友人の奥様が産後うつっぽいらしい、とのこと。

友人本人からではなく別の友人を通して聞いた話で、産後うつ「っぽい」というのがどういう状況かわかりませんが、おせっかい体質のわたしは「もしもその友人に出産経験者の立場からアドバイスを求められたらどうしよう?」とまったく余計なお世話なことを考え出しました。

産後うつっぽい奥様の夫」である、友人にできることはなにか?

本当に余計なお世話以外のなにものでもありませんが、勝手に考えてみました。
わたしが産後、夫にしてもらいたかったことはなんだろう?

 

まず、「産後うつ」はかなり身近なもののようです

知識が漠然としているので、まず産後うつについて調べてみました。
Google検索してみるとすぐに、セルフチェックリストを公開しているサイトがいくつか見つかるのですが…

イライラして落ち着かない、涙が出てくる、家事の段取りができない、胃痛、頭痛、吐き気、エトセトラエトセトラ…

わたし、これほとんど全部当てはまってたような。ならなかったのは円形脱毛症くらいかも…。
この2つのリストで考えるなら、世のお母さんはほとんどが産後うつなのではと思えますね。産後うつを軽視しているわけではなく、それほどみんな助けを必要とする状態にあるという意味です。

なお厚生労働省のサイトでは、「産後うつ」という特別な分類はしていませんでした。うつ病の分類のひとつであり、「産後4週以内にうつ病を発症するもので、ホルモンの変化、分娩の疲労、子育てに対する不安、授乳などによる睡眠不足など、不健康要因が重なることが影響していると考えられている」とあります。

今回は、受診・薬物治療の前にまず夫にしてもらいたいこと、に絞ります。

 

って、やってもらいたいことはいくらでもありますよね

先ほどのチェックリストからもわかるように、とにかくつらくて不安でなにもかもうまくできない状態ですので、夫自身のことはもちろん家事育児すべてにおいて助けてもらいたいし優しくしてもらいたいし母乳をあげる以外なんでもやってもらいたいのですが、そういうわけにもいきませんよね。
それに、掃除をする、食器洗いをする、哺乳瓶の消毒をする、といった作業単位で担当してもらっても、もちろん助かるのは間違いないのですが、何か足りないというか本質的ではないような気がします。

じゃあ、本質的にしてもらいたいことってなんだろう?
身体的なつらさ、精神的なつらさに直接関係していること…

2年前の「産後」をよく思い出したら、結局これじゃないかな、と思いました。

眠らせてもらいたかったです。

 

夫に一番してもらいたかったのは、わたしの睡眠時間の確保

当然ながら、眠れないと体力は回復しないし、精神的にもどんどん不安定になっていきます。産後うつはホルモンバランスの乱れも関係しているのでしょうけれど、その前に睡眠が確保できなければ産後じゃなくたって誰でも心身に影響がありますよね。

しかも産後の睡眠不足は、赤ちゃんの授乳間隔やおむつ交換のタイミングによるもの。いつになったら眠れるようになるのか、3か月先か半年先か、それ以上か…想像もつきません。
いつまでこの生活を続けなくちゃいけないのか、終わりがみえないことでつらさが倍増するんですよね…。

 

産後いかに眠れないかって、けっこう理解されていない

そうはいっても、授乳間隔が3時間あるってことは、3時間ずつは眠れるんでしょ?
と思っている男性がいると、何かで知って驚いたことがありました。あれはどこかのブログで見たんだったかな…。

3時間ずつの睡眠でも十分きついと思いますが、現実は3時間すら続けて眠れないことも多いということはけっこう知られていないのかもしれません。

わたしの場合は5ヶ月頃まで母乳がスムーズに出ず、マッサージ→母乳あげる→ミルクを作ってあげる→げっぷさせる→おむつ交換→寝かしつけ、で1サイクルでした。
寝かしつけがすんなりいったとしても1時間半はかかったので、授乳間隔3時間のときは、眠りにつくまでの時間含めて睡眠時間1時間半ってことですね…。思い出しただけで眠い。
「授乳間隔」とは飲み始めたタイミングから次に起きるタイミングまでの間隔だっていうのも知らない男性が多いのかも。
わたしの夫も、わたしがどれくらい睡眠不足がつらかったかを理解してくれたのは、ずいぶん後になってからのことでした。

 

イベント的に眠らせてあげようとされるのは逆効果

そしてもし睡眠時間を確保してくれるとしても、夜間のミルクやりを担当してくれるにしろ、休日に昼寝できる状況を作ってくれるにしろ、「できるときにやる」という、次にそれをしてくれるのがいつなのかわからない「イベント的」なスタンスにはしないでほしい、というのが重要だと思います。

イベント的、今回は特別に…という感じがあると、むしろ負担に感じてしまうかもしれません。そのとき眠る時間を確保してもらっても、次にゆっくり眠れるのはいつなのかわからないとなると、今しっかり寝なくては!と気合が入りすぎてしまったり、いやむしろこの時間を有効に使わなくては!と考えてしまったり、申し訳ないけれど有効ではないどころか逆効果になる可能性があります。

 

「定期的に」眠れるようにしてほしかった

大切なのは、育児という大変なプロジェクトを続けていく力です。そのための定期的な睡眠が必要なのです。寝だめはできません。
毎週金曜日の夜間授乳は全部担当するよ、とか、毎週土曜日の12時から18時までは一切のお世話を担当するからずっと寝室で休んでてね、とか、そういう定期的で具体的な約束がほしいと思います。
そうすれば、夫の助けをほとんど得られない平日の励みにもなります。

男性が1年間の育休をとるのはなかなか難しいと思いますが、1年間金曜の夜の飲み会に参加しないとか、1年間土曜の日中に友人と遊びに行かないとかなら、なんとかならないものでしょうか。

 

こういうことは、産後の当事者のときには伝えられない

男性の行動を求めるばかりでなく、女性からこういうことをきちんと伝える必要もあるのかもしれません。でも、産後はそんな余裕のない人がほとんどなんです。
わたしも産後に夫ともっとコミュニケーションがとれていたら当時のつらさが和らいだり物事がうまく進んだりしたろうなと思いますが、それができませんでした。自分で調べて動いてくれ!と思ってしまった…。

だから今のわたしのように「産後」を過ぎたひとが振り返ってみることも意味があるかなあと思って今回の記事を書いてみました。

わたしが冒頭の「奥様が産後うつっぽいらしい友人」にアドバイスを求められる可能性は低そうですが、これから出産を控えている方やそのご主人など誰かのお役にたてたらとても嬉しいです。

 

わたし自身ももし次の「産後」があったら、夫に実際にリクエストしてみようっと。