ワーキングマザーは夢をみる

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「読んで」「聞かせる」のをやめたら読み聞かせが楽しくなった

ちょっと前まで、読み聞かせがつらいと思ってました。 

わたしは出産前、「職業ナレーターとしてのスキルをすべてつぎ込んで読み聞かせを…!」といった具合にかなり鼻息を荒くしていました。
ところが産後実際に読み聞かせを始めてみると、絵本をかじるわ脱走するわ、かじらないような年齢になっても、まだ読み終わってないページをベラベラめくるわ、まったく「読み聞かせ」になりません。

たとえば、ベビーくもんの教材に「おかあさんとあるく」という絵本があります。
「1がつ、おかあさんとあるく。しろいゆきをふんで、おかあさんとあるく…」
こんな調子で1月から12月まで「おかあさん」と「わたし」が四季折々の風景の中を歩く様子を描いた美しい本です。
これを、よーし、1月の寒い様子と母親のあったかい手を表現するように読むぞー!なんて力んで読み始めると、「いちがつ、おか」くらいでベラッと次のページにめくられます。「…。に、にがつ。おか」ベラッ。ひどい時は一気に最後のページまでベラベラッとやって、「ないない!」そして絵本をポイ。えええええ。
1月の寒い様子と母親のあったかい手を表現するように読みたかったわたしは意欲のやり場に困ります。

こうやって文字に起こすと、我ながら、そんなのいーじゃん別にと思うのですが、そのときはいっぱいいっぱいでした。読み聞かせは知性を育てる、情緒を安定させる、なんて話を読んだり聞いたりするたびに、うちの読み聞かせでそんな効果があるのだろうかと不安になったりもしていました。 

「読み聞かせ」したい、しなきゃ、と思うのに、「読んでも」「聞いてくれない」ということが、正直ストレスでした。
絵本ならではのやさしい文章を声に出すのはとても好きなのに、娘に読み聞かせをすることがだんだんおっくうになり、ついにはほとんど読まなくなってしまいました。

 

でも不思議と、読まなくなるとやっぱり読みたくなるもので。
特に夫が楽しそうに読み聞かせしてあげているのを見ると、なんだかうずうずしてきます。

じゃあひさしぶりに読んでみようかな…となったときにふと思ったのが、「あ、読んで聞かせようとするからつらいのか。」ということでした。
しっかり読んであげたい。でも娘は聞いてくれない。そのギャップがストレスになるのなら、別にもう読もうとか聞かせようとかしなくていいや、と。
絵本もおもちゃの1つくらいに考えて、娘が一番楽しくなるように、一緒に遊んであげればいいだけかぁ、と、なんだか吹っ切れた思いでした。

 「いちがつ、おか」ベラッ「にがつ、おか」ベラッ「さんが」ベラッ「しが」ベラッ

 一度吹っ切れると、これはこれで楽しめます。5月のページはなぜかめくらないので「めくらないの?」と聞いたら、「うん」と言われたり。「おか」のところでばかり遮るので「おかおかおか…」と壊れたように繰り返してみたら、娘にウケたり。


今は、別に絵本の情景が伝わらなくてもいいや。気持ちを込めて読む、とかもいらないや。と思ってます。
もっと大きくなったらまた違うのかもしれませんが、まもなく2歳になろうとする娘とわたしには、今はこのくらいがちょうどいいみたいです。

「読んで」「聞かせる」のはやめました。「絵本遊び」をしている、といったところでしょうか。

 

今は、読み聞かせが楽しいです。